この言葉が使われ始めた1990年代前半当時狭義のDTMはパソコンの使用を前提とし、かつ日常的な環境においてある程度限定された規模での音楽制作を指す場合が多い。ローランドのSCシリーズ等を始めとする音源モジュールをパソコンと接続し、その音源モジュール1台にボーカル以外のすべての演奏を任せるというシステムがDTMの一般的な形であった。
DTMはパソコンの使用が前提であるため、パソコンを使わず、シーケンサー専用機やシーケンサー内蔵シンセサイザーを単体で使用する場合はいわゆる打ち込みには含まれるがDTMとは通常呼ばれない。
ユーザーが楽曲制作上で中心的に操作するのは演奏データを入力し、自動演奏を行うパソコンのシーケンスソフト[1]である。パソコンのシーケンサーソフト上に表示される譜面に、マウスで音符や休符を置くといった作業、または音源モジュールと接続されたMIDIキーボードを演奏して、シーケンサーソフトにリアルタイム入力をするといった作業によって自動演奏データ/カラオケデータを作成していくのである。
このDTMに対して高価な機材やソフトウェアを導入したり、プロユースに耐えうる本格的なシステムを構築したりする音楽制作の環境をデジタルオーディオワークステーション(DAW)と呼んでしばしば差別化する。ただし昨今のコンピュータの高性能化やソフトウェアの進歩、ハイエンド環境のコストの低下、それらに伴うDTMを取り巻く状況の変化などから、互いの決定的な違いはレコーディング環境程度になってきているとも言える。このため昨今では「DTM」が、「DAW」を内包するより広義な意味で使われることも少なくない。
参照元:ウィキペディア「デスクトップミュージック」